釧路湿原のベストシーズンは、何を目的にするかで大きく変わります。新緑と鉄道旅を楽しみたいなら湿原が最も緑に染まる7月中旬〜9月、草紅葉や落ち着いた観光を求めるなら気温が下がり霧が減る9〜10月、雪原とタンチョウを見たいなら1〜3月が中心です。本記事では環境省・JR北海道・釧路湿原国立公園連絡協議会(環境省釧路自然環境事務所・北海道・釧路市などで構成)・気象庁の公式情報をもとに、釧路湿原を月別にどう楽しめるかを整理しました。
釧路湿原はいつがいい?目的別の選び方
釧路湿原には「これが正解」という一つのベストシーズンはなく、目的によって適した時期が異なります。まず全体像をつかんでおきましょう。
- 新緑とノロッコ号の車窓を楽しみたい:湿原が最も緑に染まる7月中旬〜9月がおすすめ。くしろ湿原ノロッコ号もこの時期が運行の中心です
- 落ち着いた雰囲気で草紅葉や気温の変化を感じたい:気温が下がり霧が大きく減る9〜10月が過ごしやすい季節です
- 雪原とタンチョウ、SL冬の湿原号を見たい:冬季限定のSL冬の湿原号が運行される1〜3月が中心。防寒対策は必須です
- 霧を避けたい:気象庁の平年値では6〜8月に霧の日数が増えるため、霧を避けたいなら春(4〜5月)や秋(9〜10月以降)が狙い目です
湿原観光の基本情報(展望台の位置や楽しみ方全般)は釧路湿原観光の完全ガイドにまとめています。あわせてご覧ください。
月別の気温・霧・服装の目安|気象庁データで見る釧路湿原
釧路湿原周辺の気候は、隣接する釧路市街とほぼ同じ気象条件です。気象庁の釧路地方気象台が公表する平年値(1991〜2020年)から、月別の平均気温と霧の日数の目安をまとめました。
| 月 | 平均気温 | 霧の日数の目安 | 服装の目安 |
|---|---|---|---|
| 1月 | −4.8℃ | 1.3日 | 厚手のダウン・防寒手袋・滑り止め付きの冬靴 |
| 2月 | −4.3℃ | 2.1日 | 厚手のダウン・防寒手袋・滑り止め付きの冬靴 |
| 3月 | −0.4℃ | 4.0日 | 冬装備+薄手のインナーで調整 |
| 4月 | 4.0℃ | 8.7日 | 薄手のダウンやコート、朝晩は手袋があると安心 |
| 5月 | 8.6℃ | 12.3日 | 長袖にジャケットを重ねるスタイル |
| 6月 | 12.2℃ | 15.9日 | 長袖シャツ+薄手のフリースやウインドブレーカー |
| 7月 | 16.1℃ | 16.2日 | 長袖+羽織もの必須、霧が出ると体感温度が下がる |
| 8月 | 18.2℃ | 15.2日 | 長袖+羽織もの必須、霧が出ると体感温度が下がる |
| 9月 | 16.5℃ | 10.1日 | 長袖シャツ+薄手のジャケット |
| 10月 | 11.0℃ | 6.8日 | 長袖+ニット、朝晩は上着を1枚追加 |
| 11月 | 4.7℃ | 2.6日 | 薄手のダウンや手袋の準備を |
| 12月 | −1.9℃ | 1.7日 | 厚手のダウン・防寒手袋・滑り止め付きの冬靴 |
(出典:気象庁 釧路地方気象台 平年値、1991〜2020年)
表のとおり、霧の日数は6〜8月に月15〜16日とピークを迎え(年間では約97日)、10月以降は急速に減っていきます。気温だけで見ると夏は快適ですが、霧が出ると体感温度が下がるため、6〜8月に訪れる場合も羽織ものは手放せません。釧路の気候全体については釧路の月別気温と服装の目安、霧の実況は釧路の霧情報、当日の天気は釧路の天気予報であわせて確認できます。
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春(4〜5月)の釧路湿原|残雪が明け、動植物が動き出す季節
4〜5月の釧路湿原は、まだ観光客が少ない静かな季節です。気温は4月が平均4.0℃、5月が平均8.6℃で、朝晩はまだ冷え込みます。
環境省の釧路湿原国立公園ページによると、この時期に見られる代表的な生き物がキタサンショウウオで、観察できる時期は4月〜5月とされています。タンチョウについては、釧路観光コンベンション協会の案内によると釧路市丹頂鶴自然公園でタイミングが合えば5〜6月頃にヒナの姿を見られることもあるとされています。夏に向けて野生動物の活動が増え始める、湿原の一年の始まりの季節です。
展望台やビジターセンターは、4月から夏の営業時間に切り替わる施設が多い時期でもあります(詳しくは後述の一覧表を参照)。
夏(6〜8月)の釧路湿原|最も緑が美しく、ノロッコ号が本格運行する季節
釧路観光コンベンション協会の案内では、湿原が最も人気の高い緑色に染まる時期は7月中旬から9月とされています。ヨシやスゲが一面の緑に覆われ、四季のなかでも特に「湿原らしい」景観を楽しめる季節です。同協会の案内には7月後半にホタルが見られるとの記載もあり、湿原ならではの生き物との出会いも夏の魅力のひとつです。
環境省の公式ページによれば、この時期に見頃を迎える植物としてクシロハナシノブ(6〜7月に紫色の花)、ツルコケモモ(6〜7月に淡紅色の小さな花、秋には赤い実)が紹介されています。木道沿いを歩く際は、こうした季節の植物にも注目してみてください。
くしろ湿原ノロッコ号は、JR北海道公式サイトによると2026年は4月25日(土)から運行を開始し、夏の期間は運行本数が増える日も設定されています。運行日はシーズンによって異なるため、最新の運行カレンダーはくしろ湿原ノロッコ号2026またはJR北海道公式サイトで確認してください。なお、くしろ湿原ノロッコ号は現行車両の老朽化に伴い2026年度をもって運転を終了する予定です。
釧路川のカヌー体験も夏が中心のアクティビティです。正確な催行期間はツアー会社によって異なるため、最新の運航状況は釧路川カヌー体験ガイドや各ツアー会社の公式サイトで確認するのが確実です。
夏の釧路湿原で注意したいのが霧です。気象庁の平年値では6〜8月の霧の日数が1か月あたり15〜16日とピークになります。最高気温が20℃前後でも霧が出ると体感温度が下がるため、長袖に羽織ものを重ねられる服装で出かけましょう。
9月・10月の釧路湿原|気温が下がり、霧も減っていく季節
「釧路湿原 9月」で検索する方も多いですが、9月は夏のにぎわいが落ち着き、気候が過ごしやすくなっていく時期です。気象庁の平年値では9月の平均気温は16.5℃、霧の日数は10.1日と8月(15.2日)より減り、10月にはさらに6.8日まで下がります。
JR北海道公式サイトによると、2026年は9月20日(日)から30日(水)まで「夕陽ノロッコ号」が運行されます。これは日没時間帯に釧路湿原の中を走行する期間限定の便で、公式サイトでは「日中とは違う、夕日と静寂につつまれた湿原」を車窓から楽しめると案内されています。定期運行のくしろ湿原ノロッコ号は2026年は10月4日(日)まで、さらにラストランとして10月9日(金)・10日(土)が設定されており、10月10日が2026年度最終運行日です(JR北海道公式サイトによる。最新情報は公式サイトで確認してください)。
草紅葉(湿原のヨシやスゲが黄金色に色づく現象)については、気温の低下とともに9月以降ヨシ原の色が徐々に変わっていきますが、環境省・釧路観光コンベンション協会の公式ページでは具体的な見頃の時期は公表されていません。訪問前に最新の色づき状況を知りたい場合は、現地の展望台やビジターセンターに確認するのがおすすめです。なお、阿寒湖・摩周湖方面の紅葉や周辺エリアの秋観光全体については釧路の秋観光完全ガイドで詳しく紹介しています。
冬(11〜3月)の釧路湿原|雪原とタンチョウ、SL冬の湿原号の季節
11月から3月にかけて、釧路湿原は一面の雪景色に変わります。気象庁の平年値では1月の平均気温は−4.8℃まで下がり、本格的な防寒対策が必要な季節です。
環境省の釧路湿原国立公園ページでは、この時期の見どころとしてオジロワシ・オオワシの観察、塘路湖に張った氷が音を立てて盛り上がる「御神渡り」(厳冬期に出現)、そして冬季限定の観光列車「SL冬の湿原号」(1〜3月に運行)が紹介されています。SL冬の湿原号の年ごとの運行日程や料金はSL冬の湿原号ガイドにまとめています。
タンチョウについては、釧路観光コンベンション協会の案内によると、夏場は湿原の奥地で暮らしており大自然のなかで姿を見ることはめったにありません。一方で冬に向けては、鶴見台や鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ、阿寒国際ツルセンターといった給餌場が観察スポットとして案内されています。観察に適した具体的な時期や見どころの詳細はタンチョウ観察ガイドを参照してください。
冬は展望台・ビジターセンターの営業時間や利用状況も変わります。釧路湿原国立公園連絡協議会の案内によると、温根内ビジターセンターでは冬季に歩くスキーやスノーシューの無料貸出があり、温根内木道は冬季も歩くことができます。一方、達古武木道は冬季に手前のオートキャンプ場が閉鎖されるため、基本的に立ち入りできません。訪問前に各施設の最新情報を確認しておくと安心です。
展望台・ビジターセンターの営業時間は季節で変わる
釧路湿原の主要な展望台・ビジターセンターは、季節によって営業時間が変わる施設が多いため、事前の確認がおすすめです。
| 施設名 | 夏季の営業時間 | 冬季の営業時間 | 休館日など |
|---|---|---|---|
| 釧路市湿原展望台 | 4〜9月 8:30〜18:00 | 10〜3月 9:00〜17:00 | 年末年始休館。入館は閉館30分前まで |
| 細岡ビジターズ・ラウンジ | 4〜9月 9:00〜18:00 | 10〜3月 10:00〜16:00 | 年末年始(12月29日〜1月3日)休館 |
| 温根内ビジターセンター | 4〜10月 9:00〜17:00 | 11〜3月 9:00〜16:00 | 火曜・年末年始(12月29日〜1月3日)休館 |
| 塘路湖エコミュージアムセンター | 4〜10月 10:00〜17:00 | 11〜3月 10:00〜16:00 | - |
| シラルトロ自然情報館 | 5〜10月のみ営業 | 11〜4月は休館 | - |
(出典:釧路観光コンベンション協会公式サイト、釧路湿原国立公園連絡協議会公式サイト、環境省・釧路湿原国立公園ページ)
釧路市湿原展望台は釧路観光コンベンション協会公式サイトによると入館料は大人480円・高校生250円・小中学生120円で、駐車場は大型バス7台・普通車108台・身障者専用3台分が用意されています。展望台周辺を車で巡る場合は、あわせて釧路湿原ドライブも参考にしてください。
混雑を避けて釧路湿原を楽しむには
釧路湿原はエリアが広く、時期だけでなく時間帯によっても混み具合が変わります。夏の週末や冬のSL冬の湿原号運行日は展望台周辺が混み合いやすい一方、平日や早朝は比較的静かに楽しめる傾向があります。釧路観光全体の混雑傾向を知っておくと、湿原観光のスケジュールも立てやすくなります。詳しくは釧路観光の混雑カレンダーをご覧ください。
宿泊・移動の準備
釧路湿原を訪れる際は、釧路市街や阿寒方面の宿泊エリアを拠点にするプランが一般的です。展望台やビジターセンターは点在しているため、レンタカーがあると複数のスポットを効率よく回れます。冬季は積雪・路面凍結への備えも必要になるため、車での移動を予定している場合は早めに冬用タイヤやチェーンの準備状況を確認しておきましょう。宿泊先やレンタカーの選び方は、各社の公式サイトで最新の空室状況・料金をご確認ください。
Q1. 釧路湿原のベストシーズンはいつですか?
A: 目的によって異なります。新緑とノロッコ号を楽しむなら7月中旬〜9月、落ち着いた気候なら9〜10月、雪原とタンチョウなら1〜3月がおすすめです
Q2. 釧路湿原はいつ紅葉しますか?
A: 気温が下がる9月以降にヨシ原の色が徐々に変わっていきますが、環境省・観光協会の公式情報には具体的な見頃時期の発表はありません。訪問前に現地施設で最新状況を確認するのがおすすめです
Q3. 釧路湿原の9月はどんな季節ですか?
A: 平均気温16.5℃前後で夏より過ごしやすく、霧の日数も8月より減っていきます。2026年は9月20日〜30日に夕陽ノロッコ号が運行されます
Q4. 釧路湿原で霧が多いのはいつですか?
A: 気象庁の平年値では6〜8月に霧の日数が1か月あたり15〜16日とピークになり、9月(10.1日)以降は減っていきます
Q5. 冬の釧路湿原ではどんな景色が見られますか?
A: 一面の雪原に加え、冬季限定の観光列車「SL冬の湿原号」(1〜3月運行)やオジロワシ・オオワシの観察、厳冬期の塘路湖の御神渡りなどが見どころです
Q6. 展望台やビジターセンターの営業時間は季節で変わりますか?
A: はい。釧路市湿原展望台や温根内ビジターセンターなど多くの施設で、10〜11月を境に冬時間へ営業時間が短縮されます。訪問前に各施設の最新情報を確認してください






