釧路の水産加工業の位置づけ|管内出荷額の45%を占める食料品製造業
釧路総合振興局の資料(令和3年経済センサス)によると、釧路管内の製造品出荷額等は約4,070億円で、このうち**食料品製造業が45%(1,669億円)**を占めています。パルプ・紙(17%)を大きく引き離し、管内の製造業の中で最大の割合です。
この食料品製造業の中心にあるのが水産加工業です。背景には、釧路港の水揚げが令和5年・令和6年と2年連続で全国1位を記録するなど、原料となる水産資源が豊富に水揚げされていることがあります。水揚げされた魚介類が近隣の加工施設ですぐに処理されることで、産地としての強みを活かした食料品製造業が管内経済を支える構造になっています。
釧路市漁業協同組合の総合流通加工施設|水揚げから加工・保管まで一貫
釧路の水産加工を支える中核施設のひとつが、釧路市漁業協同組合(釧路市西港1丁目)が運営する総合流通加工事業の施設です。公式サイトによると、施設の規模は次のとおりです。
| 設備 | 規模 |
|---|---|
| 処理加工施設 | 2,447.20㎡ |
| 冷凍冷蔵施設 | 3,215.74㎡(冷蔵能力3,002トン・凍結能力40トン/日) |
| 製氷・貯氷 | 製氷能力80トン/日・貯氷能力3,008.1トン |
| トンネルフリーザー | 処理能力500kg/時 |
主要処理品目はさんま・いわし・ししゃも・ほっけ・かれい・さばで、水揚げされた魚をすぐに生鮮・冷凍・干物などに加工できる体制が整っています。釧路市漁協の令和7年度の事業別取扱高を見ると、市場事業(産地市場の副港市場37億6,800万円・消費地市場の新富士市場80億9,800万円)に対し、加工事業は8,400万円となっており、市場流通が中心の中で加工事業が一定の役割を担っていることが分かります。
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釧路市魚揚場(地方卸売市場)の取扱データ|令和7年
加工原料となる魚介類がどの魚種でどれだけ取り扱われているかは、釧路市が公表する魚揚場(地方卸売市場)の年報から確認できます。令和7年の魚種別取扱量・取扱金額は次のとおりです。
| 魚種 | 取扱量 | 取扱金額 |
|---|---|---|
| いわし | 105,557トン | 43億1,581万円 |
| すけとうだら | 12,640トン | 8億4,188万円 |
| まだら | 8,085トン | 24億7,727万円 |
| さんま | 1,939トン | 6億8,005万円 |
| かれい類 | 540トン | ― |
| いか | 206トン | ― |
| ししゃも | 34トン | 1,059万円 |
| その他 | 1,490トン | ― |
| 合計 | 130,577トン | 約94億円(9,436,527千円) |
漁業種類別では、大中型まき網が105,486トンと最も多く、沖合底曳網21,812トン、さんま棒受網1,939トンと続きます。いわしの数量が突出しているのは、近年の豊漁で釧路港の水揚げ量を押し上げている状況(釧路市によると令和6年の釧路港水揚げ量の8割以上をいわしが占める)と一致しています。
なお、この魚揚場の取扱量は釧路市漁協の地方卸売市場の統計であり、港湾統計として公表される釧路港全体の水揚げ量(令和6年173,659トンなど)とは別の統計です。両者の関係や水揚げ量の推移は釧路漁港の水揚げと釧路の漁業で詳しく紹介しています。
釧路で作られる主な水産加工品と「くしろプライド釧魚」
釧路総合振興局の資料では、管内の加工品としてタコ・サケ・サンマの水産加工品が紹介されています(このほかチーズ・アイスなどの畜産加工品、エゾシカ肉の資源活用も管内の食関連の取り組みとして挙げられています)。
釧路市はまた、地場産水産物のPR施策として**「くしろプライド釧魚」(通称:プラ釧)**を実施しています。釧路市公式サイトによると、これは生産者が特に自信と誇りを持っておすすめする旬の魚を四季ごと・月別にPRする取り組みで、対象魚種はサケ・スケトウダラ・マダラ・シシャモ・コンブ・サンマ・イワシ・サバ・ワカサギなどです。地場産水産物の付加価値向上と消費拡大、「水産のまち くしろ」を地域内外へ定着させることを目的に、店舗紹介マップの公開やイベント出展が行われています。
このほか釧路市は、水産加工業に対する支援制度や釧路水産加工振興協議会の取り組みを紹介するページを公式サイトに設けています。制度の詳細を確認したい場合は、釧路市の該当ページで最新の案内を確認するのが確実です。
買える場所・取り寄せ
釧路の水産加工品は、次の公式窓口から取り寄せることができます。
- 釧路市ふるさと納税:うに・かに・いくら・たらこなど、水産加工品を含む返礼品を取り扱っています(釧路市ふるさと納税公式サイト)
市場で水揚げされる魚介や旬の食材については、釧路の海鮮グルメ完全ガイドもあわせてご覧ください。
Q1. 釧路の水産加工業は釧路の産業の中でどのくらいの規模ですか
A: 釧路総合振興局によると、釧路管内の製造品出荷額等(R3経済センサス)約4,070億円のうち45%(1,669億円)を食料品製造業が占めています
Q2. 釧路市漁業協同組合の加工施設ではどんな魚を加工していますか
A: 総合流通加工施設では、さんま・いわし・ししゃも・ほっけ・かれい・さばなどを主要品目として加工しています
Q3. 釧路市魚揚場で最も多く取り扱われる魚は何ですか
A: 令和7年の実績ではいわしが105,557トンと最も多く、取扱量全体130,577トンの8割以上を占めています
Q4. くしろプライド釧魚とは何ですか
A: 生産者が自信を持っておすすめする旬の水産物を月別にPRする釧路市の取り組みで、対象はサケ・スケトウダラ・マダラ・シシャモなどです
Q5. 釧路の水産加工品はどこで買えますか
A: 釧路市のふるさと納税で、うに・かに・いくら・たらこなどの加工品を取り寄せられます
公式サイト・参考リンク
※本記事の数値は執筆時点(2026年9月)で公開されていた情報に基づきます。最新の数値は釧路市水産課または各公式サイトでご確認ください。






